トレーラの車軸より後ろは殆ど海水に浸るので、日常のメンテナンスが悪いと直ぐに腐食し、色々な不具合が発生します。道路を走る全てのトレーラは車検を必要としますから、車検時の修理作業や経費を減らす意味からも、日頃のメンテナンスが必要だと思います。このページでは私の日頃の手入れ方法を紹介していますが、一つの例としてご覧下さい。
釣行から帰ったら出来るだけ早く真水で洗っています。トレーラの上にはボートが乗っているので、1.エンジン冷却系統のフラッシング→ 2.ボート内側の洗浄→ 3.ボート外側の洗浄→ 4.同時にトレーラの水洗 という具合に他の作業と並行して行い、全体として30〜40分で完了していると思います。トレーラのフレームはガルバナイズド処理(亜鉛ドブズケ)がされているので、海水に浸かった部分を重点的に、水流を強にしてザーッと洗うだけで錆の発生はないようです。
私のトレーラはホイールの裏側にパーキング用のブレーキ・ディスクがありますが、完全水没し錆び易い部分でもあるので、特に念入りに水洗します。水洗しにくい裏側ですが、反対側から強水流を噴射して満遍なく洗うようにしています。塩分が残っていると、錆で固着してトラブルの元となるので注意が必要です。なお、この写真に写っているので合わせて紹介しますが、私のトレーラの場合、車軸の基部となる角パイプはガルバナイズド処理がされておらず、写真のように錆が出始めています。この部分は5ヶ月前に防錆処理を行ったのですが、十分な効果が無かったようです。今後の課題として対策を考えています。
2002年 8月10日
6月、ホームセンターで見かけた高圧洗浄機(東芝HP-400D)を衝動買いしてしまいました。今までホースで洗浄していたのですが、ホイール裏側の洗浄などは反対側から水をかけることになり、水勢としては少々不十分でした。高圧洗浄機は最大7MPa(70,000hPa)と強力で、ノズルを調整する事により水勢を自由に調整する事が出来ます。
購入してから 4〜5回利用しましたが、ボート内外、トレーラとも大変スムーズに十分洗浄でき、時間的にも節約できる事が分かりました。特に錆の発生が心配されるホイールやブレーキ周りを効果的に洗う事が出来、これから重宝する事になりそうです。価格は税抜き14,800円でしたが、釣行後の作業を考えると投資効果は十分あるでしょう。
2003年 8月 8日
写真はエンジン・フラッシングの様子です。このページはトレーラのメンテナンスなのですが、エンジン・フラッシングの方法を簡単に説明しておきます。
船外機は海水をプロペラ付近の「冷却水取り入れ口」から吸い込み、エンジンを冷却したのち上部の排水口から排出しています。エンジン内に海水が残ったまま放置すると、冷却系統の腐食が急速に進むので、釣行した後は冷却水通路に真水を通して洗っておきます。洗浄は冷却水取り入れ口にヘッドフォンのような形をした「フラッシュ・キット」を取り付け、そこから水道水を送りながらエンジンを回します。釣行から帰った直後はエンジン燃料系統にガソリンが残っていますから、ガソリン・ホースを接続しなくても数分間エンジンを回すことが出来ます。水を循環させながら数分間エンジンを回せば、冷却系統の洗浄が完了します。
水洗が終わって少し乾いてから給油を実施しています。忘れずに行いたいのはハブ・ベアリングへのグリース・アップです。グリース・ガンを使って、ハブ・キャップ(このトレーラの場合は給油可能なベアリング・プロテクタ)にMPグリスを一杯に充填しています。グリースは指定されたものがベストですので、不注意に混合しない方が良いでしょう。ハブ・シール不良による海水の浸入、グリース不足による潤滑不良はホイール・ベアリングの腐食、損傷につながり非常に危険です。過去に ホイール・ベアリングの焼付きが原因によるホール脱落事故 の事例がありますので、十分注意したいものです。
日常的にはサイド・ブレーキ各系統にあるしゅう動部分の給油も行っておきます。CRCで知られる呉工業 KURE Engineering Ltd.のマリーン用「6-66」防錆・防湿剤などを十分噴霧しておきます。また、灯火類のカプラが水没する部分には十分な防錆剤塗布が必要です。ただ、防水でないカプラの場合、浸透によってケーブル端末から数十センチまで海水が浸入してしまうので、防錆スプレイの効果はあまり期待できません。私の場合、Trailer >> セッティング−灯火類の防水 で説明したように、浸水部分のカプラーを全て撤廃していますが、カプラーを使用するなら防水型にしないと防錆効果は望めません。
その他、見落としがちなのが「ボール・カプラ」です。ヒッチ・ボールに被さるこの部分は、浸水こそないもののトレーラ牽引中は重荷重が掛かるしゅう動部分となります。釣行前、トレーラを接続する前に必ず「ヒッチ・ボール」に十分な量のグリース塗布しボール・カプラを被せます。街頭で時々見かけますが、真っ赤に錆びたヒッチ・ボールを露出したまま走っている車があります。直接事故につながることはないと思いますが、要潤滑部であることを考えれば好ましい状態ではありません。
2002年 8月10日
7月31日に釣行した時、左ホイールの裏、ハブ内側のシールからグリースが漏れているのを発見しました。トレーラを使い始めてから1年3ヶ月、漏れたグリースは大した量ではないのですが、ハブ・シールからのグリース漏れは海水の浸入も考えられ、分解・点検の必要があります。釣りの現場からボート屋さんに部品(ハブ・ベアリングの内と外、ハブ・シール、各2個ずつ)を発注し、部品が到着次第分解することにしました。
この作業については車検にも関係あるので、Trailer >> ハブ・ベアリングの交換 で説明しています。
トレーラも自動車の仲間ですから「車検」が必要です。1年または2年ごとに車検を受けないと運行できないことは周知されていますが、未だ無車検、無保険車が走行しているのは残念なことです。さて、トレーラの車検について、構造自体が簡単ですから車検整備も比較的簡単に行えます。車検整備のポイントは灯火類とブレーキが中心で、フレームや連結器に極端な腐食や変形が無ければそれ程難しいものではありません。灯火類レンズの損傷がないこと、灯火が正常に点滅すること、ブレーキ(駐車、慣性)が正常に作動すること、各ボルトにゆるみがないこと、ホイール・ベアリングの損傷・ガタがないこと、連結装置が正しく作動すること、安全装置が正常なこと、タイヤの状態が良好なことなどに加え、車体番号がはっきり確認できることが必要です。
整備自体はポイントを押さえれば難しいものではありませんが、保安基準に照らして適合しているかどうかの判断はある程度の知識が必要です。事後整備ではなく事前整備で安全を確保したいものです。Trailer >> 車検 では、平成14年の12月、実際に車検を受検した時の記事を紹介しています。参考としてご覧下さい。
2002年 4月 5日 初版 |
2003年 8月 8日 改訂3 |
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