普段、競技会などに出る機会はほとんど無いのですが、釣った魚の寸法を測る「検寸台」を自作しました。実際、検寸にも使用しますが、釣った魚の標本写真を撮るときなどに活躍するのではないかと考えています。 今回、折りたたみが可能で、魚を乗せる台部分が防水で、比較的軽い検寸台が完成しましたので紹介します。
必要な材料は、以下の表にまとめています。特別なものはありませんので、ホームセンターなどで簡単に入手できます。
材料 | 規格・数量 | 参考価格 | 備考 |
---|---|---|---|
集成材平板 | 13×200×910mm | 420円 | 200×455mm 2枚に半切り |
PET樹脂板 | 0.5×450×600mm | 598円 | カッター・ナイフでカット可 |
アルミ・アングル | t1×25×25×1000mm | 630円 | 200mm長さに切断後、3mm穴開け |
ピット・メジャー | 13mm×2m | 448円 | 粘着テープ付 |
ステンレス蝶番 | ウス口 25mm 3枚 | 290円 | 4枚入り |
紙両面テープ | 25mm、40mm幅 | − | PET樹脂板貼付用 |
ステンレス・平皿ビス | 2.7×13mm 3個 | − | アングル取り付け用 |
ステンレス・トラス・タッピング | 3.5×13mm 4個 | − | 高さ調整用 |
塗料 | 若干量 | − | 白〜明るいグレイが良い |
平板は「ソリ」が比較的出にくく、重量が軽い「集成材」を選びました。規格寸法が13×200×910mmのものが手頃であったので、これを2分割し、真ん中を蝶番(ちょうつがい)でつないで折りたためるようにします。
この寸法だと片面で43cmまで、両面を使うと88cmまでの検寸が可能ですが、もっと大物を検寸したい場合は、目的に応じて幅広、長尺の平板を使われると良いでしょう。
アルミのアングル(直角材)は、厚さ1mm、1辺25mm、長さ1mのものが規格で売られていました。これを200mmに切って、3mmの穴を3カ所に開けておきます。
検寸台は生の魚を乗せるので、「水洗い」をすることも考えらます。防水と防腐のために平板の両面は塗装しておきます。塗色は写真撮影の背景を考え、白から明るいグレイなどの無彩色が良いでしょう。今回は手元にあった、「パール・グレイ」の水性塗料を刷毛塗りで使用しました。
最初に塗装乾燥した平板を蝶番でつなぎます。平板2枚を表向きに合わせ、キチッと端面が合うことを確認します。次に、裏側の3カ所に蝶番をネジ止めします。蝶番の回転部分中心が板の合わせ目と一致するよう正確にネジ止めします。蝶番が付け終わったら、スムーズに折りたためるかどうか、確認しておきます。
検寸台を広げると、蝶番の厚さ分だけ中央が持ち上がりますので、その補正として、蝶番の反対側の隅に高さ調整用のビスを2本ずつねじ込みます。寸法は現物合わせで良いのですが、今回は3.5×13mmのトラス・タッピングに平ワッシャを1枚入れて高さを調整しました。
メジャーを切る長さを決めます。左側の平板の左端にアングルを取り付け、アングルの右面が検寸の起点となります。(後述、8.および9.の写真を参照)
メジャーの0mm位置とアングルの面が一致するよう位置決めし、更に平板右端(蝶番側)にメジャーの切りの良い目盛りが来るようにします。
私の場合、メジャーの43cm位置の目盛りで切断し、その部分が蝶番側の端面になるよう貼り付けました。(平板幅455mm−アングル1辺長さ25mm=430mmでピッタシ揃う)
最初に25mm幅の両面テープを平板下辺に沿って貼り、これに沿うように切ったメジャーを貼り付けます。(平板端面からは25mm離れて平行)
平板の残りの部分には、全面に両面テープを貼ります。今回使用した両面テープは事務用の紙両面テープで、半透明のため下地の色が透けて見えます。
メジャーは粘着テープ付のケースの無いものを購入しました。普通のケースに入ったメジャー(引出し式)が安くて良さそうですが、メジャーを引き出した状態で「ピン」と伸びるように「カール加工」がされていますので、貼り付けには不向きです。また、0mm位置付近に引き出し用の金具があり、これも不都合です。
反対側にもメジャーの続きを貼り付けます。検寸台を開いた状態で、正しく繋がる必要がありますから、端面の位置には十分注意します。
写真右上は、これから両面テープを貼るところです。
平板1枚分より一回り大きめのPET樹脂板を2枚作ります。PET(ポリエチレン・テレフタレート共重合体:PolyEthylene Terephthalate、ペット・ボトルの材料)はカッタ・ナイフで数回引けば簡単に切れます。今回はPET樹脂板を使用しましたが、耐候性が良く(日焼けしにくい)、ねじ込みなどにより割れにくい性質があります。軟質アクリル板でも構いませんが、アクリル板は経年劣化で黄色く変色します。
両面テープの剥離紙をはがし、PET樹脂板を貼り付けます。PET樹脂板には保護シールが両面に付いているので、貼り付け前に貼る側の保護シールをめくっておきます。おもて面の保護シールはめくらず、そのままにしておきます。
貼り付けたら、柔らかい布などで擦るように押さえ、空気を抜いてしっかりと接着させます。
両面の貼り付けが終わったら、平板からはみ出した余分な部分をカッタで切り取ります。平板の端面に沿ってカッタ刃を数回引けば、簡単に切れます。
検寸するとき、魚の口先を当てる「立て板」を取り付けます。おもて側の保護シールを少しめくり、メジャーの0mm位置とアングル面が一致するよう正確に位置合わせし、ビス止めします。
おもて側の保護シールは、全ての作業が完了してから取り外します。両面テープ接着部からの水の浸入が心配な場合は、平板端面に接着剤(セメダイン・スーパXなど)を塗りつけておくと、完璧な防水となります。
完成した検寸台です。このように開くと最大88cmまでの魚体を検寸出来ます。検寸台表面はPET樹脂板で覆われていますので、魚体で汚れても簡単に拭いたり、水洗いできます。
以上、「手作り検寸台」の製作記でした。1台持っていると大変重宝します。手軽に作ることが出来ますので、是非チャレンジしてください。
2003年 9月 3日 初版 |
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