狭いボート内に長尺の竿を何本も持ち込むと、その置き場に困るものです。また、置き竿のためのロッド・ホルダー(竿受け)も必要です。
船内に竿を立てて保管するロッド・ホルダー(竿立て)は体裁の良いものがいくつか市販されています。しかし、私のボートに合うちょうど良いものがなかなか見つからないので、2001年の夏前、ラワン材と水道用の塩ビパイプで自作することにしました。写真は最初に造作したロッド・ホルダーです。生け簀の後方左右に 15mm のラワン材立て板を接着剤で取付け、この板に水道配管用塩ビパイプをビニール・サドルで取り付けました。塩ビパイプは外径 48mm、内径 40mmのもので、肉厚なので強度も十分です。 この造作で左右に2本ずつ、計4本のロッドをキープできるようになりましたが、二人で釣行すると数が不足気味で、タモ網用のホルダーも必要です。
2002年10月、魚探台座と兼用にしていた右舷のロッド・ホルダーを覆うように、魚探ボックスを取り付けたため、右舷のロッド・ホルダーを失うことになります。左舷のロッド・ホルダー2個だけでは大変不便で、狭いボート内で竿の置き場所に困るようになりました。そこで、左舷側の旧ロッド・ホルダーとソールとを支えに、新しくロッド・ホルダーを増設することにしました。ホルダーの仕組みは前回と同じで、L字金具で補強した立て板の表と裏に計5本の塩ビパイプを取り付けました。ロッドの間隔は少し狭苦しいですが、使わない竿を置いておく場所なので、使用には差し支えなく、体裁良く竿をキープできるようになりました。
この夏は(も)暑く、午前 8時を過ぎるとジリジリと太陽が照りつけてきます。海上は涼しそうに見えますが、直射日光の下ではじっとしていても汗が流れてきます。屋根があると少しは涼しいのですが、柱を立てるスペースも無いので、パラソルを竿立てに立てておくことにしました。効果は抜群で、風が吹けば結構涼しく感じます。
釣行を終え、移動中はパラソルを閉じておくのですが、10ノット以上出すとパラソルが風(航走風)にあおられ左右に結構揺れます。今までのロッド・ホルダーではベース板が不安定であったため、取り付けている板が今にも折れそうになりました。そこで、取り付け板の手前側を補強する新たな金属製の柱を取り付けることにしました。
補強用柱は、「どうせなら、もう1本ロッド・ホルダーを増やそう」と、ロッド・ホルダー兼用としました。50mm径のステンレス・パイプを5mm厚のステンレス・プレートに溶接し、床面にビスで固定して強度を保っています。上部に工夫があり、パイプに5mm厚の板を2枚、ちょうど今までのロッド・ホルダー取り付け用のラワン材を挟むように取り付けました。これで左右に振らつくことが無く、航走中のパラソルも安定しました。もちろん、パラソルを使わないときはロッド・ホルダーとして活用できます。
なお、パイプ下部に水が溜まるといけないので、ベースのプレートに10mmの穴を空けると共に、パイプ下部の背部に切り欠きを作り排水用としています。
2003年 7月24日 加筆
日本では「ロッド・ホルダー」(rod holder)と呼ぶ以外に、「ロッド・スタンド」(rod stand)、「ロッド・キーパ」(rod keeper)、「ロッド・ハンガー」(rod hanger)、「ロッド・ポスト」(rod post)などという外来語の呼び方が使われているようですが、これらはおそらく和製英語だと思います。米国の釣具カタログを見ていると、竿を確保する物のほとんどが「ロッド・ホルダー」(rod holder)であり、次のような使い方をしています。
■保管用
Tackle Rod Holder / Tube Rod Holder
… パイプに差し込むもの
Vehicle Rod Holder / Rod Rack ← これは「Rack」
… 車室内の天井などに取り付けるもの
Side-Mount Rod Holder
… 車室内の横側に取り付けるもの
Rod Rack ← これも「Rack」
… 室内で竿を立てて保管するもの
■釣り用(トローリング用)
Angle Rod Holder / Flash Mount Rod Holder
… デッキやブルワークに埋め込むもの(後傾している)
Adjustable Deck-Mount Rod Holder
…ブルワークにビス付けし、角度調整できるもの
■釣り用(置き竿用)
Tube Rod Holder
… 筒状のもの
Rod Holder
… 普通の竿かけ
Quick-Release Rod Holder
… ちょい掛けして直ぐに竿が外せるタイプ
以上のような感じなので、英語では何でもかんでも「〜用のロッド・ホルダー」となります。日本では「竿立て」「竿掛け」「竿受け」「竿休め」など熟語形式の和風読みと、前述のような和製英語を上手に組みあわせて表現しているようです。
まあ、どちらでも構わないのですが、参考まで。
ボート釣りでは置き竿にすることも多く、ロッド・ホルダーが必要となります。最初は市販の小型竿受けをクランプで取り付けるため、角材をブルワークに取り付けていたのですが、体裁も悪く強度的にも弱いので、市販のトローリング・ポストを竿受けとして使用することにしました。トローリング・ポストは内径 43mm のステンレス製可動タイプで、これをステーを介してビス付けしています。ステーは 2mm 厚のステンレス板を折り曲げ、上部を 6mm のステンレス・ビス2本で、下部を接着剤でボートに固定しました。写真のように、右舷アフタと左舷バウに1個ずつ取り付けています。
その後、2002年の10月になって、トモからフカセ釣りをしたいと思い、左舷スターンにも同様なトローリング・ポストを取り付けました。
トローリング・ポストをロッド・ホルダーとして使用する場合の問題点として、竿を手に持ち替える場合、パイプから引き抜かなければならないので、ちょっと動作が大きくなり不便です。それ以外は本来の「トローリング・ポスト」としても使え、強度も十分であることから大変重宝しています。
現在、このトローリング・ポストのベースを利用して以前使っていた「竿受け」を利用できないか思案中です。またいいアイデアを思いついたら、このページで紹介したいと思います。
トローリング・ポストのベースを利用して市販の竿受けを取り付けられないか色々考えていて、2004年の春にペースに取り付けられる木製のブロックを作りました。ベースは写真のようにフラットではなく、中央が少し盛り上がっています。
材料として、建築材として良く用いられる 2×4 パイン材を適当な長さに切り、トローリング・ポスト・ベースの凸部が収まるよう円形の凹みを加工し、中央に取り付けボルト用の穴を開けました。また、手元にある竿受けのクランプが丁度収まるよう、パイン材に切り欠きを入れています。取り付けボルトを締め付けると強固に取り付き、竿受けのベースとしては申し分有りません。
手元にある竿受けを取り付けてみました。左右どの方向にも向けられ、しかも頑丈なので、最近はトローリング・ポストのパイプを付けることは少なくなりました。
2002年11月 9日 初版 |
2005年10月 3日 改訂3 |
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