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Trailer トレーラ

セッティング



トレーラを購入しても、大抵はそのまま使用できません。まずは、トラクタ(牽引車)に牽引用のヒッチ・メンバを取り付けることから始まります。このページでは、ヒッチ・メンバの取り付け、トレーラ用各種オプション装置の取り付け、防水・防錆など、トレーラのセッティング(使用準備)を中心に説明します。


ヒッチ・メンバの知識

トレーラを牽引するためには、トラクタ(牽引車)側にヒッチ・メンバと呼ばれる部品を取り付ける必要があります。ヒッチ(hitch)は、<環・かぎ・ロープなどを> 引っかけるという動詞ですが、ヒッチ・メンバ(hitch member)は「引っかける部品」くらいの意味でしょうか。

牽引車、今回の場合は専用のトラクタではなく、普段利用している普通の乗用自動車をボート・トレーラの牽引車に仕立てるわけですが、元々牽引を想定した丈夫な構造を有している車種と普通の乗用車とでは取り付ける方法や牽引能力に大きな差があります。また、既に牽引用の大型フック (この場合は緊急時にロープを掛ける牽引フック) が車体の後部中央に取り付けられていて、これを外せばヒッチ・メンバを簡単に取り付けられるような車種もあれば、大切な車に親指ほどの穴をいくつか開けないと取り付けられない車種もあります。

いずれも、牽引車として使用する車種に適合し、十分な強度のあるヒッチ・メンバを購入あるいは自作する必要があります。自作は牽引車の構造を十分把握した上での設計が必要なため、私はメーカー製を購入した方が無難だと思います。私の場合は、リンクのページでも紹介した SUN自動車工業 からホンダ ステップワゴン(RF2)の専用品を購入しました。許容荷重は「最大牽引トレーラ総重量 750kgまで」となっていますが、これはヒッチ・メンバ自体の許容荷重を示していて、牽引車の牽引能力と一致しない場合があることに注意します。大きな牽引能力が必要な場合は、それに見合った丈夫で重い牽引車が必要になりますから、カタログやトレーラの仕様書などを参照して牽引車の車種を検討します。もっとも、普通は所有している牽引車に合わせてヒッチ・メンバを選択することになると思いますが...。

メンバ直付けタイプ→クリックで拡大 ブラケット取付タイプ→クリックで拡大 同社のカタログによると幾つかのバラエティはありますが、車体後部に元々丈夫なクロス・メンバ(cross member:左右のフレームをつなぐ部材)があって、これに直接ヒッチ・メンバが取り付けられる左側の図のようなタイプと、右側の図のように車体後部下側の両側を縦に走っているフレーム(frame:枠)もしくはサイド・メンバ(side member:横部材)にブラケット(bracket:取り付け金具)を取り付け、これを利用してヒッチ・メンバを取り付けるタイプの2つに大別できるようです。

ここで、「フレーム」と「サイド・メンバ」を区別しましたが、「フレーム付きボデーのフレーム」と「モノコック・ボデーのサイド・メンバ」とは構造的にも強度的にも大きな差異があるため、あえて別個のものとして扱ったからです。最近の小型車はプレス成形したパネル同士を溶接接合して1個のボデーを作り上げる、いわゆる「モノコック構造」のボデーが主流となっています。モノコック構造の中で、特に強度を要する骨格部位には箱型のフレーム構造を作っていますが、この箱型フレーム構造をフレーム付ボデーのフレームとは区別して「サイド・メンバ」と呼ぶことがあります。本来のフレームは小型車であっても、2〜5mmの圧延鋼材で作られていて、ボデー部分を取り除いてもフレームだけで十分な強度があります。極端な例ですが、ボデーレスの走行も可能です。一方、モノコック・ボデーはボデーとフレーム構造体が一体で構成され、ボデー構造全体で車体の強度を確保するようになっています。現在主流のモノコック・ボデーは0.6〜1.6mmという薄いプレス鋼板(高張力鋼板も含まれます)を巧みに組み合わせて全体で強度を保っていますから、ヒッチ・メンバ等の負担の大きい部品を安易に取り付けると、車体強度上問題が出ることがあるのです。したがって、ボデーの構造を十分理解してから設計し、取り付けることが重要です。

実際、普通トレーラを牽引する場合には、静的にも数百kgf 以上の力がヒッチ・メンバに加わります。急制動時には軽トレーラであっても 300kgf 近い慣性力 が働くことになりますから、安易な構造や取り付けでは牽引車自体に大きなダメージを与えることになり、安全上も問題があります。

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ヒッチ・メンバの取り付け

ここでは、私が実際に「ホンダ ステップワゴン」に取り付けたヒッチ・メンバの取り付け手順と留意事項を紹介します。取り付け手順は、車種やヒッチ・メンバの違いによって大幅に異なりますから、以下は一つの例としてご覧下さい。

  1. 車体後部下側のサイド・メンバに取り付いている既存の「牽引フック」を取り外します。(M12ボルト2本)

  2. 室内後部のフロア・マット・エンドを取り外し、フロア・マットの後部を少しめくります。

  3. 車両下部、サイド・メンバ最後部にある水抜き穴(10mm)から13mmストレート・シャンク・ドリル*で、サイド・メンバ上面(フロア側)までまっすぐ上方に貫通し、水抜き穴の穴径を広げると共にフロアに新しい13mmの穴を開けます。(左右2箇所)
    *ストレート・シャンク・ドリル:刃部の径と取り付け部(シャンク)の径が同一の一般的なドリル。小型電気ドリルのチャックはせいぜい10mm程度までしか挟めないので、大型の電気ドリルを用いる必要があります。

  4. 新たに開けた13mmのフロア側の穴を、更に17mmのドリルで広げます。電気ドリルで開けられる限度を超えていますから、シャンク部分を細くした特殊なドリルを用いるとかテーパ・リーマなどで工夫する必要があります。少し精度が落ち、根気は必要ですが、小型の超硬バーで広げてもよいでしょう。

  5. フロア部分に貼られているサイレント・マット(遮音用の樹脂シート)を、13mmの貫通穴の周辺約40mm角程度、スクレッパーやカッターではぎ取ります。この部分にサイド・メンバ上部を補強するスペーサ(角ワッシャ)が入ります。

  6. ブラケットの取り付け→クリックで拡大 加工したフロア側からカラー(外径約16mm、内径約13mmのパイプ)、スペーサを取り付けた12mmのボルトの順に挿入します。このとき注意したいのは、サイド・メンバ内にカラーを落とさないよう、注意することです。カラーはサイド・メンバを上下から締め付ける際、メンバを潰さないために挿入します。下側の穴は13mmですからカラーはサイド・メンバ内側の底で止まります。ここで問題なのは、カラーの長さはサイド・メンバの高さとほぼ同じであるため、加工上サイド・メンバの上下幅が少し大きいと、カラー上部がサイド・メンバ上部の縁(フロア面)から外れて、サイド・メンバ内部へ倒れ込む危険があることです。0.5mmでもカラー上端が穴の縁より上にあればカラーは倒れ込みませんが、0.5mmでも短いとカラーがサイド・メンバの空洞内で倒れることになります。一度倒れると二度と取り出せませんから、慎重に作業します。倒れ込みを防止するため、サイド・メンバ下部から長めのドライバをフロアまで通し、それをガイドに挿入すると良いでしょう。

  7. フロア側から挿入したボルト先端をL字形ブラケットの後ろ側の穴へ通し、ナットで仮締めします。ブラケット前側の穴には付属の12mmボルトを挿入し、仮締めします。左側ブラケットは牽引フックを取り付けていたボルト穴が利用できますが、右側は特殊なナットを水抜き穴へ挿入し、このナットにボルト締めします。

  8. ヒッチ・メンバの取り付け→クリックで拡大ブラケットが仮付け出来たら、ヒッチ・メンバ本体をブラケットにボルト付けします。全体のバランスを確認後、各ボルトを規定トルクで締め付けます。規定トルクでの締付けにはトルク・レンチを用いますが、無ければ締め過ぎないよう注意し、同じトルクを心がけます。以上でヒッチ・メンバ本体の取り付け完了です。

  9. 次にトレーラへの灯火類給電用ソケットを取り付けます。あらかじめ牽引車側灯火の配線色を確認しておきます。信号電源の取り出しは、内張りなどで隠せて目立たない場所がよいでしょう。付属7芯ハーネス(ケーブル)とソケット端子をハンダ処理で接続します。7端子ありますから、番号と色を間違えないよう配線します。なお、「ソケット配線表」が付属していますので、車体側の配線色を追記しておくと間違えることが少ないと思います。

  10. ハーネスの室内への引き込み→クリックで拡大ソケット側の配線が完了したら、ソケット本体をヒッチ・メンバへ取り付けます。取り付け後、防水用のゴム・ブーツをソケット裏側に取り付け、タイ・バンドで締め付けます。7芯ハーネスの車両側は、フロアの水抜き穴を利用して車内へ取り込みます。水抜き穴に取り付けられた「めくら蓋」(ゴムや樹脂製)にハーネス用の小穴を開け、そこから挿入します。挿入、配線後、防水シール材を塗布しておくと完全です。次に車内の灯火信号線と7芯ハーネスの接続をしますが、お互いの配線色を間違えないよう、慎重に作業します。配線の接続には市販の「被覆をむかずに電源がとれる分岐タップ」形式の配線コネクタなどを用いると早く確実にできます。

  11. 最後にソケット端子部に所定の通電があるかサーキット・テスタなどでチェックします。サーキット・テスタがなければ、12V電球を用いても構いません。車両の灯火類スイッチを操作し、ソケットの規定端子に電圧がかかるかサーキット・テスタで確認します。ボール・マウントを取り付けた状態→クリックで拡大ヒッチ・メンバ取り付け完成→クリックで拡大電球を用いる場合は、電球に適当なケーブルを取り付け、ケーブルの一方を車体へアース、もう一方を規定端子に接触して電球の点滅を確認します。ソケットの端子部は奥まっており、ソケット・ボデーは金属製でアース側、おまけにバネ付のフタがあり作業しにくいですから、ショートしないよう注意してください。充電端子とソケット・ボデーがショートすると灯火類のヒューズが切れます。

以上が私の「ヒッチ・メンバ取り付け体験記」です。私の場合、職場のリフトが利用できましたが、床面で直接作業する場合は結構姿勢が苦しいかもしれません。約3時間の作業となりました。

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キール・ローラ

ボートが水面からトレーラに移動するとき、ボートのキール(keel:竜骨)がトレーラのフレーム(最後部のクロス・メンバ)に衝突しないよう、キール・ローラ(keel roller)を設置します。キール・ローラはボートとフレームの衝突を防ぐと同時に、ボートがトレーラに順次乗り上げる段階で、ボートの重量を支え、ボトム(bottom:船底)の損傷を防ぎます。キールは竜骨とも呼ばれ、ボートの船首から底を通って船尾まで貫通して船を支える材で、ボートでは特に頑丈に作られています。一方、ボトムは比較的薄く作られてますので、ボートの重量が部分的に加わると破損する心配があります。

私が購入したトレーラは「軽」であったこともあり、キール・ローラが付属していませんでした。そこで、トレーラにボートを乗せるとき、キールがフレームで傷つかないようボートを少し持ち上げ(結構力がいります)、ウィンチの力で強引に引き上げていました。この場合、いきなりボトムがバンクに乗り上げることになり、ボトムの一部に力が掛かり「ミシミシ」と音がするようなこともありました。また、結構抵抗が大きいので、ウィンチを巻き上げるにもかなり力が必要で、親子二人汗だくの作業でした。そのころはバンクも固定バンクであり、余計に重かったかもしれません。

キール・ローラ→クリックで拡大 以上のような苦労を2〜3回経験しましたが、ボートにも良くないし、上げ下ろしにも苦労するので、思い切ってキール・ローラを取り付けることにしました。キール・ローラの取り付けと同時に、次に紹介する「ローラ・バンク」や「ボート・ガイド」も取り付けたため効果は抜群で、自分一人でも簡単に上げ下ろしが出来るようになりました。

キール・ローラが設置されていると、ボートがトレーラに接近すると最初にキール・ローラに乗り上げます。ゴム製のローラで、しかもキール部分が細いので比較的軽い力で引き上げが始められます。しばらく引き続けるとボトムがバンクにゆっくりと乗り始め、この間もキール・ローラで船体重量の多くを支えていますから、ボトムを壊すこともありません。最終的にはボトムをローラ・バンクで、バウをバウ・ローラで、キールをキール・ローラで支えることになります。なお、キール・ローラはボートをトレーラへ乗せるときだけでなく、水面へ下ろすときにも有用で、ボートを壊さずスムーズに着水できます。

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ローラ・バンク

バンク(bunk)とは、ボートのボトムを支える寝台のことです。私の購入したトレーラ付属のバンクは、厚さ43mm、高さ90mm、長さ182mmの木製固定バンクで、左右に1本ずつフレームに取り付けてあり、上面には約30mm幅の青い樹脂製パッド(多分P.P.)がビス付けされていました。

ローラ・バンク→クリックで拡大 固定バンクは安価なのですが、ボートを引き上げるときにボトムを引きずり、少し重い欠点があります。また、私の場合はパッド幅が少し狭く、ボトムに集中力が掛かる心配もあり、市販のローラ・バンクに取り替えることにしました。ローラ・バンクは幾つかタイプがありますが、私の購入したものは 5フィート長の金属フレームに6個のローラが取り付けられたもので、ローラ幅は約120mmあります。

ローラ・バンクはボトムの傾斜に合わせて取り付けます。私のボートの場合、ボトムの前後方向が水平でなく、船体中央付近が一番低く、船首、船尾とも少し反り返って高くなっています。他の殆どのボートも水の抵抗を少なくするため、こうなっているかもしれません。ところが、購入したローラ・バンクは真っ直ぐなので、全部のローラがボトムに接することなく、ボトムの前または後ろが少し浮き上がる格好となってしまいました。理想的には全ローラがボトムに接し、後ろをキール・ローラが、前をバウ・ローラが支えるのが良いのですが、仕方がありません。ボートをトレーラに乗せたとき、ローラ・バンクの前側半分くらいでボトムを支え、後ろ側のキール・ローラをキールに当たるまで上げ、走行時の衝撃をキールでも受けるように調整しました。この際、特定のローラに集中しないよう、出来るだけ多くのローラがボトムに接するよう位置調整をした方が良いでしょう。ローラがスイングするタイプのローラ・バンクなら問題ないと思います。取り付け後、ローラでボトムを受けますから、バンク上でのボートの動きは非常にスムーズになりました。


2002年10月27日
 上記「ローラ・バンク」について、運搬中に集中荷重が発生し、ボトム右中程に若干(3cmほど)のき裂が発生しているのに気づきました。毎年、この時期にボートの点検を行うのですが、ボートをバンク上で20cmほど後退させたときに発見しました。このき裂からは海水の浸入もあったようで、わずかに水が滲み出てきました。

対策として、とりあえずバンクは元の「固定バンク」に戻しました。亀裂部は表面の塗装面をFRP層までP80のペーパでサンディング(研磨)し、グラス・ファイバを細かく切ったものを混入した柔軟性エポキシ接着剤(樹脂部品補修用)を1層、1〜2mm厚で数回に分けて肉盛りしました。
 この場合、表面のゲル・コート塗装は剥離強度が大きくないので、FRP層まで塗膜を剥離します。また、グラス・ファイバを細かく(5〜10mm)切ったものを接着剤に混入しましたが、これは接着剤の構造体としての強度を増大させる効果があります。

接着剤が完全硬化してから表面を平面研磨し、船体と共色のアクリル塗料を簡単に塗っておきました。
→ 2003年 7月現在、この補修に関しての問題は発生していません。 (^_^;)

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ボート・ガイド

ボート・ガイド→クリックで拡大 ボート・ガイドはボートが水面からトレーラに移動するとき、ボートをトレーラの中央に導くためのガイド役として働くほか、トレーラ走行中にボートが左右に振れるのを防止します。このいずれの効果も期待できますが、先のローラ・バンクを用いるとローラ・バンクのローラがボトム形状に応じて少し内側に傾斜していることから、ボート・ガイドが無くてもほぼ中央に導かれるようです。また、走行中の尻振りもボートをベルトで固定して走行しますから、それほどの心配はありません。しかしボート・ガイドがあると、ボートがトレーラの中央から「絶対に左右に振れない」という安心感があり、安全走行には欠かせない装備かもしれません。

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スペア・タイヤ

スペア・タイヤ→クリックで拡大 トレーラが走行中にパンクを起こさない保証はありませんから、スペア・タイヤの装備は必須です。私のトレーラには12×3.5のホイールと135SR12のタイヤが取り付けてありましたので、節約のため軽自動車のタイヤを探してみました。しかし、どのホイールもオフセットが合わないというか、形状が不適合でトレーラのブレーキ・ディスクに接触して使えませんでした。結局、純正品を購入しましたが、取り付け金具は写真のように自作し、右メインフレームの下に邪魔にならないよう取り付けました。

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バウ・タワー

バウ・タワーにはボートのバウを支えるバウ・ローラとボートをバウ・ローラ側に引っ張るウィンチが取り付けてあります。ボートを引き上げたり固定するために使用する大変重要な装備です。

バウ・タワー(初期状態)→クリックで拡大 トレーラを購入した最初のセッティングは、左の写真のような状態でした。ステムの形状やバウ・アイの位置にもよりますが、この関係だとウィンチはバウ・アイを下に引っ張り、ボートを前に引き付ける力が少ないようです。実際、ボート後方を締結ベルトで前方へ引っ張っておかないと、走行中にステムがバウ・ローラから離れてしまうことがあります。また、バウ・アイは前方に引っ張るような位置・形状をしていますので、下へ引っ張ると上側に力が集中し、あまり好ましくないようにも思われます。そこで、位置関係を変更することにしました。

バウ・タワー(一部変更)→クリックで拡大 最初の変更がこの写真です。従来バウ・ローラが取り付けてあった付近にウインチを移動、反対にバウ・ローラを下へ持ってきました。ウィンチはバウ・タワーにボルト付けでしたから、新たに13mmほどの穴を2カ所(貫通ですから都合4カ所)開けて取り付けました。バウ・ローラの方は2本のコ形Uボルトでの取り付けとなります。この改良の結果、ウィンチがステムを前方へ引っ張るようになり、ボートが後ろへずれることがなくなりました。

バウ・タワー(最終設定)→クリックで拡大 最後の変更では、バウ・ローラのステーの向きをボートと平行になるよう、まっすぐ後ろへ突き出すよう変更しました。これは最初に取り付けてあった取り付け方と同じです。この方が後ろからの力に対して、ステーに無理な力を掛けないようです。

以上の変更に加え、トレーラを手で引っ張って移動するために「ハンドル」を取り付けました。2番目と3番目の写真に写っています。ハンドルはステンレスの平板とパイプで自作し、ウィンチの取り付けボルトに共締めしています。自宅の庭から駐車場へ出るとき少し段があるのですが、今まではバウ・タワーを適当に持って引っ張っていました。でも、適当に持てるところがないんですね。ボートの舳先を持つことがありますが、高すぎて力が入りません。このハンドルを取り付けてからは、持ちやすく力も入れやすいので、トレーラの移動が随分楽になりました。

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灯火類の防水

ボートを離着水するとき、トレーラは出来るだけ水辺へ寄せます。水辺へ寄せるというのは陸上にあるというイメージですが、実際は「牽引車の後輪が水に着かない付近」まで水辺へ寄せるので、トレーラの車輪はかなり水に没します。軽トレーラの場合は全長が短いですから、なおさらです。当然の事ながらテール・ランプなどの灯火類は完全水没するわけで、一般自動車用を流用した灯火類は浸水を免れません。真水なら比較的良いでしょうが、海水だと余程丁寧に内部まで水洗いしないと、数日後には内部の金属周りやコネクタ類は錆だらけということになります。

私が購入したトレーラ付属のテール・ランプも完全水没時には浸水し、レンズを外から見ると裏側に水滴が確認できました。ひどいときは大量の浸水で水面が見えていたほどで、分解してみると電球や配線の金属部分は錆びていて、良い状態とは言えませんでした。苦肉の策で内部の金属部分を清掃して防水グリースを塗り、レンズや配線取り入れ口のパッキン類にはシリコン・シーラントをたっぷり付けて組み付けました。結果的には上々で、浸水はほぼ無くなりましたが、電球交換のたびにシーラントでへばり付いたレンズを外す苦労が新たに生じました。

その後、あるホームページを見てたら、ソレックス株式会社 の灯火類は「防水仕様」であることを知り、左右のテール・ランプ一式と番号灯を部品として購入し、現在のものと交換することにしました。

テール・ランプの変更→クリックで拡大 届いたテール・ランプを見てみると、本体背面の四隅に 7mm程の穴(ねじ穴でなく素穴)が4個空いているだけで、専用のステーから作らないと取り付かないことが分かりました。サイズ的に見て、既存の「トレーラ用三角反射器」の位置も変更する必要があり、その取り付けステーも含めてステンレス板で自作しました。この改造は保安基準に適合する必要があり、少し注意が必要です。 右の写真がテール・ランプ一式を防水仕様に変更したものです。番号灯はそのまま取り付けることができました。既存の配線類はコネクタから数十センチも海水が浸入しており、銅線の表面が酸化していました。そこで、新たにラインを引き直すことにし、水没の恐れのあるトレーラ後部付近は配線コネクタを一掃し、ラインが腐食しないよう考慮しました。

以上の改造を行った結果、灯火類のメンテナンスが非常に楽になりました。釣行から帰ってからは、水道ホースで流水を掛けるだけで十分です。浸水や防錆を気にして大量のCRCを噴霧するのは結構骨が折れますし、精神的にもよくありません。

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後退用目印ポール

後退用目印ポール→クリックで拡大 牽引車の車種にもよりますが、私の場合(ホンダ ステップワゴン)、トレーラを後退するときにボートが乗っていないと、トレーラの位置が非常に分かりにくいのですね。軽トレーラは車幅が狭く反応が敏感なため、ドア・ミラーに写った頃には結構曲がっていてハンドルが手遅れになることがあります。そこで、ボートを乗せないで後退するときの目印として、写真のような「後退用目印ポール」を作りました。構造は至って簡単で、ベースのマグネット基台にスキーのストックをねじ込み、ポールの先に赤いマジックのキャップを接着剤で取り付けました。材料はいずれも廃品ですが、結構重宝しています。使うときは、ポールのマグネット部分をトレーラ最後部のフレーム中央にくっつけ、それを目印にトレーラ中央位置を確認して後退します。

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防錆処理

トレーラを使い始めて8ヶ月、日頃気になっていた防錆処理を行うことにしました。本体フレームは「ガルバナイズド仕上げ」といって、溶融亜鉛の「ドブズケ処理」が施してあり、海水に対して結構な耐食性があります。今回行った防錆処理は、車軸中央部の角パイプとリーフ・スプリングが中心になります。共に防錆用のシャシ・ブラックが塗装されていましたが、数回の釣行で赤さびが出始め、下部は結構腐食が進んでいました。

作業はボートを下ろし、錆取りから始めました。休日に職場の作業所を使い、エア・サンダーで下面も念入りに錆取りを行いました。シリコン・オフという脱脂剤で汚れを落とした後、防錆用の下処理剤を塗布します。防錆剤は各社から色々出ていますが、今回は海水に対して効果の高い ファインケミカルジャパン株式会社 の「ラストロールスプレー」という商品を用いました。現在「ラストロールスプレー」は市販されていないようなのですが、同様の防錆処理剤が同社から出ていますから、確認すると良いと思います。

「ラストロールスプレー」の特徴を製品の説明書から抜き出すと、

その他にも特徴があるのですが、関心のあるところだけをピックアップしました。スプレーで塗布後は少し「ヌルヌル」して半透明ですが、乾燥後はごく薄い黄色でしっかりとした皮膜を形成します。施工場所以外の錆が出そうなボルトや穴の縁など、適当にスプレーしておきました。

「ラストロール」が完全に乾いてから、普通のシャシ・ブラック(黒いラッカー)を十分に塗布して仕上げとしました。


2003年 1月 9日
 上記「ラストロール」について、約半年で錆が出てきました。「ラストロール」自体の問題ではなく、頻繁に海水に浸ける特殊性から、なかなか効果的な防錆法がないようです。三度目の正直として、新しい防錆処理を Trailer >>車検(継続検査) で試みています。興味のある方はご覧下さい。

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2002年 2月 2日 初版
2003年 7月20日 改訂3


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