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二度目の車検



あまり使わないうちに2度目の車検がやってきました。トレーラの車検は、ただただ「錆との戦い」であることを前回の車検で知ったわけですが、今回も錆が原因でパーキング・ブレーキのパッド摩擦材が脱落する不具合が発見されました。


車検整備

車検整備は、車体に付着する泥などの汚れを 高圧洗浄機 で洗ってから始めました。


不具合の点検

右側のブレーキ・パッド→クリックで拡大 洗車を終わってエアーで水を吹き落とし、車検の点検項目で最も重要なブレーキ関連の点検を始めました。最初に右側のホイールとパーキング・ブレーキのディスクを外してビックリ。ブレーキ・パッドの摩擦材が脱落して影も形も無くなっています。一般の車では始終ブレーキを使用するのですが、私の場合、トレーラの駐車ブレーキは滅多に使用する機会がなく、気づくのに遅れたようです。このままでは車検に通りませんから、ブレーキ・パッドの交換が必要になります。

力を入れたら摩擦材が取れてしまった→クリックで拡大 一見、正常に見える右のブレーキ・パッド→クリックで拡大 右側ブレーキ・パッドの不具合が見つかって少々焦りながら、左側も点検してみます。タイヤとディスクを取り外してみると、外見上は正常に見えます。ところが、右側同様にブレーキ・パッドの摩擦材を手で引っ張ってみると簡単に剥がれてしまいました。 (>_<)

ブレーキ・パッドは、ベースとなる鋼板( 5 〜 6mm )に厚さ 10mm ほどの摩擦材が接着剤で貼り付けられています。海水に浸かることのない自動車用ブレーキ・パッドは摩擦材が無くなるまで使用できますが、今回は海水によってベース鋼板の腐食が起こり、摩擦材が摩耗する前に錆で脱落してしまったようです。前述したように、私の場合はトレーラの駐車ブレーキを殆ど使いませんから、摩擦材の摩耗は走行中のディスクとの軽い接触で生じる程度で、殆ど消耗しません。少々勿体ない気がしますが仕方がないでしょう。(部品代 1セット 6,250円也!)

取り外したブレーキ・パッド→クリックで拡大 ブレーキ・パッドを後方から見てみる→クリックで拡大 摩擦材が脱落したブレーキ・パッドを後方から見てみます。パッドを取り付けているレバーもかなり錆びているようです。右側の写真は取り外したブレーキ・パッドです(摩擦材はありません)。取付けボルトもかなり錆びているのが分かります。

ブレーキ・レバーを取り外す→クリックで拡大 ブレーキ・レバー→クリックで拡大 ブレーキ・パッドを取りつけているブレーキ・レバーも錆びています。左右のブレーキ・レバーをワイヤーで引っ張ってブレーキ・パッドをディスクに押しつける構造のため、ブレーキ・レバーの動きが悪いとブレーキが片効きを起こす原因となります。

リーフ・スプリング回りの錆 @→クリックで拡大 右側のブレーキ・パッド→クリックで拡大 ホイールからの異音 で錆取りをしたブレーキ・ディスクも大変‘よく’錆びています。このままの状態では車検に行けませんので、今回もサンダーで磨くことにします。

リーフ・スプリング回りの錆 B→クリックで拡大 リーフ・スプリング回りの錆 A→クリックで拡大 ガルバナイズド処理(溶融亜鉛浸漬メッキ)が施されていないリーフ・スプリングやシャックル類には少し錆が発生しています。前回の車検で 防錆処理 を施しているので、それ程ひどくありません。今回も同様の防錆処理をすれば問題ないでしょう。

ベアリング・キャップの取り外し→クリックで拡大 ハブを取り外す前にハブ・キャップ(ベアリング・プロテクタ)を取り外します。ハブ・キャップはステンレス製の器で、ベアリングにグリースが不足した場合に自動補充する構造になっています。キャップは真円に加工されており、それ程丈夫なものではないので、取り外し時に変形させないように注意します。薄手のタガネやマイナス・ドライバなどをハブとのすき間に軽く打ち込んで取り外します。

ベアリング・キャップ(内側)→クリックで拡大 ベアリング・キャップ(外側)→クリックで拡大 取り外したベアリング・キャップはグリースを入れ替えるため、古いグリースは取り出し、ウエスできれいに拭いておきます。

ベアリングの確認→クリックで拡大 ハブの取り外し→クリックで拡大 ベアリング・キャップを取り外したら、ハブを取りつけているナットを緩めてハブAssyを取り外します。ハブ・ナットは割ピンで回り止めがされていますから、割ピンの折り曲げ部を伸ばしてプライヤなどで抜き取ります。外したハブおよびベアリングは錆が出ていないか、ベアリングにガタがないかなどの点検を行います。ベアリングは ハブ・ベアリングの交換 で二年前の夏に交換していますが、今回は水の浸入もなく問題ないようです。

スピンドルの点検→クリックで拡大 ハブを取り外しスピンドル部の点検を行います。傷や腐食が無いか点検しますが、これも問題なさそうです。スピンドルの一番奥、ハブのオイルシールが当たるところに若干錆が出ていたので、P600のペーパーで丁寧に錆を除去しました。この場合、スピンドルの縦方向にあまり傷を付けないよう注意します。

ハブ内のグリースを点検する→クリックで拡大 ハブ内のグリースおよびベアリングのグリースを点検します。写真にあるよう、2年間使用するとグリースは黒ずんできます(左:ベアリング・キャップ内、右:ハブ内)。ハブ内の古いグリースは手で掻き出し、残りをウエスで拭き取った後、新しいグリースを手で詰めます。ベアリングについては、新しいグリースで追い出し充填するか、灯油などで洗った後に水洗、エアー吹き乾燥した後、新しいグリースを充填します。


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修理と整備

不具合のチェックで発覚したブレーキ・パッドは交換を要しますので、直ちに部品を発注しました。ブレーキ・パッドが届くまで、他の整備作業を進めることにします。

ブレーキ・ディスクのさび取り→クリックで拡大 ホイールからの異音 で苦労をしたブレーキ・ディスクのさび取りについて、今回はエア・サンダーを使用しました。前回の電動サンダーに比べると効率が良く、短時間で写真のような状態になりました。ブレーキ・パッドが当たる部分以外は 防錆処理 で紹介した「有機系ジンクリッチプライマー」(商品名「エピコンジンクリッチプライマーB-2」)を塗り、防錆対策に努めています。

右側のブレーキ・レバー→クリックで拡大 左側のブレーキ・レバー→クリックで拡大 ブレーキ・レバー関係の錆はサンダーで落とした後、「有機系ジンクリッチプライマー」および「テルパス3700」で仕上げています。また、腐食が激しかった各リンク部のボルトは、錆びにくいステンレス・ボルトに交換しました。なお、組み付け時には各摺動部にグリースを十分充填しています。

ハブを組み付けた後、ベアリング・キャップのニップルからグリースを充填します。この際、強い圧力で詰めすぎると内側のオイル・シール(ハブ・シール)を破損したり、過剰なグリースが漏れ出すことがありますので、詰めすぎには注意しましょう。

ブレーキ・パッドの取りつけ→クリックで拡大 ブレーキ・パッドは注文した翌々日には入手することが出来ました。早速ブレーキ・レバーに取りつけましたが、ブレーキ・レバーのリンク部同様、腐食に強いステンレス・ボルトに交換しています。駐車ブレーキのレバーを引いてブレーキ・レバーの左右が均等に動作することを確認します。

ブレーキ・ディスクを取りつけた状態(前側から)→クリックで拡大 ブレーキ・ディスクを取りつけた状態(裏側から)→クリックで拡大 写真はブレーキ・ディスクを取りつけた状態。駐車ブレーキのレバーを引くと、ワイヤーがブレーキ・レバーを前方へ引っ張る。レバーに取りつけられたパッドがブレーキ・ディスクに押しつけられて、ブレーキが効く仕組みになっている。

最大積載量のステッカーも忘れないこと→クリックで拡大 車台番号をマーク(中央黄色い枠)→クリックで拡大 タイヤを取りつけてから、駐車ブレーキのレバーを力一杯引いて、左右のタイヤがロックすることを確認します。また、フレームに刻印されている「車台番号」の場所や「最大積載量ステッカー」の状態を確認しておきます。車台番号はペイント・マーカーなどを使って四角い枠で囲んでおくと、車検時に慌てないで済みます。

車検整備完了→クリックで拡大 ボルト類の緩みの点検、フレームの防錆塗装等の一通りの車検整備が完了したら、各部の不具合を最終チェック(完成検査)しておきます。車検証に記載してあるトラクタに連結し、電源ケーブルを接続して灯火類が正常に点灯するかを確認します。連結器の点検・清掃と注油も忘れないで実施します。

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受検について

車検の手続き等については、前回の 車検(継続検査) で解説しました。今回は、よく質問のある費用について若干レポートしたいと思います。(ただし、軽トレーラの場合)


車検に掛かる費用(軽トレーラの場合)

今回受検した軽トレーラの車検経費は以下のようになりました。軽トレーラは安価なのでビックリされるかも知れませんが、小型または普通のトレーラでは重量税が異なりますので、ご注意ください。

軽トレーラの車検経費一覧(2004年12月現在)
明細金額(円)特記
自動車重量税*18,8002年
自賠責保険料*25,2102年
検査手数料1,400
OCR用紙40車検時に必要
*1:自動車総重量、期間、用途により異なります。
*2:本土と離島では差があります。車種、期間により異なります。

このほかに自動車税(軽自動車税、年額4,000円)が必要です。車検時には納税証明書を提示しないと受検できません。

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受検

受検についても 車検(継続検査) で解説したとおりで、検査官がトレーラのところまで出向いて検査が実施されました。今回、全長・全幅の再計測が行われたので、検査官の指示によりメジャーを持つなどの手伝いをしました。また、駐車ブレーキの検査では、駐車ブレーキを目一杯引張り、牽引車で少し前進するという方法で車輪のロック状態を確認されたのですが、私のトレーラがデイスク・ブレーキであること、裏側の一方から押さえつけるだけの構造のためロックが十分でなく、ブレーキ・ワイヤを再調整して合格しました。

検査標章の貼り付け→クリックで拡大 検査は 10分ほどで終わり、確認印を貰った書類を窓口へ提出して、新しい自動車車検証と自動車検査標章を受け取りました。今回受領した車検証は、以前の手書きからコンピュータによる印刷様式に変更されていました。車検証と同時に車体貼付用の検査標章を貰いますが、この検査標章は「窓ガラスの内側に貼付」するタイプのため、トレーラのフレームに貼り付けるには不具合があります。窓ガラスの内側から表示部が外になるよう貼付するため、糊が表示部に施されています。普通このほうが都合がよいのですが、トレーラは貼付するような窓ガラスを有していませんので、何らかの接着剤で直接フレーム等に貼り付けることになります。また、もともと糊の付いている表示部は何らかの透明カバーを施さないと汚れてしまいます。上記のような理由で、私の場合、検査標章の剥離紙を剥がした状態で「ラミネーター・フィルム」で挟んで、ラミネート処理した後に強力な両面テープでフレームに直接貼り付けるようにしています。両面テープは文房具用ではなく、人工芝を貼り付けるような耐水性のものですので、2年間は十分耐えることが出来ます。

以上、二回目の車検をレポートしました。毎回、どの車検をやっても思うことですが、これで 1年ないし 2年は安泰だという安堵感が得られて嬉しいものです。

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2005年01月08日 初版


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